管理栄養士ブログVOL.28『濃い味がやめられない!年齢と味覚の変化』

管理栄養士 小林紀恵が『味覚』についてお話しします!

食事をする上でとても大事な「味」。
「今日のご飯はどんな味付けにしようかな?」と悩まれる方も多いかと思います。
つい先日、スーパーで安くかぶをGETできたので、ナムルか?ゴマあえか?で悩んでいましたが、その日は暑い日だったので、食欲増進のためナムルにしました!

食事を大きく左右する「味」ですが、「味を感じる」その仕組み自体についてお話しをしていきたいと思います! (他の管理栄養士ブログはこちら

味を感知する器官

食べ物の味は、「甘味・塩味・酸味・苦味・うま味」の5つに分類されております。
この5つの基本味質は舌の表面や口の中(口腔内)にある<味蕾(みらい)>と呼ばれる器官で感知しています。
この味蕾、どのくらいの数が口腔内にあると思いますか?

なんと、成人では約1万個!!!

そんなにあるの?!と驚かれた方もいらっしゃるかもしれません。
この1万個ある味蕾ですが、「感じやすい味」と「感じにくい味」があります。

感じやすい味は、「苦味と酸味」です。
・身体に有害なものがもつことが多い苦味
・腐敗の可能性があるものが多い酸味
は敏感に味を感じ取るようになっています。身体の防御機能って本当にすごいですよね。

また、舌の部位によって感じ取りやすい基本味質の種類が異なると言われています。

・舌先=甘味・塩味
・舌の左右=酸味
・舌の真ん中より後ろ=苦味"

ぜひ、ご自身の舌で試してみてくださいね! 

味覚の感じ方が変わる?

<味蕾>という器官は、数十個の味細胞から構成されており約10日で入れ替わります。この入れ替わりですが、加齢によって新陳代謝が鈍くなることによって十分に行われなくなってしまいます。そのため、1万個あった味蕾は高齢者では半減されます。

その影響で、高齢の方は塩味の感じ方が鈍くなる傾向があります。
「お味噌汁が濃いと言われた」
「味がしない」
「ついつい醤油やソースをかけてしまう」
ということがあったら、味蕾の数の減少が影響しているかもしれません。

味付けの工夫について

もともと日本人の食事はどうしても塩分多めのお食事になりがちです。そのため「味が薄いな・・・」と、どんどん塩を入れてしまうと、塩分過多で身体に負担をかけてしまいます。

そこで、おすすめな3つの味付けの仕方をご紹介します!

①お醤油はつけて食べる

これからおいしい冷ややっこなど、お醤油を上からかけるのではなく
小皿などに出したお醤油に付けて食べるだけでも、量を制限できます。

②塩は後かけを

炒めものの塩分は調理時には加えず、お皿などに取り分けたあとに親指と人差し指で塩をつまみ、上からパラパラと振りかけましょう!
こうすることで、料理の表面に塩が乗った状態になるので、一口目に塩気を感じて満足度が高くなります!

③魚は塩焼きがおススメ

煮魚などでは、味をしみ込ませるために多めの塩分を使っていることが多いです。そのため、塩焼きの方が塩気の満足度は高いのに塩分は少なくて済むことがあります。
魚の調理に迷ったら「塩焼き」と覚えておいてください。


血圧が高めの方や外食が多い方などもぜひ、生活の中に取り入れてみてくださいね。栄養はカラダと密接にかかわっています。普段の生活であまり意識しない部分、ご自身のカラダに関して目を向けるといろんな発見があったりします。少しでも、「カラダっておもしろいな」と思っていただけたら嬉しいです。
次回の管理栄養士ブログもぜひお楽しみに!