管理栄養士ブログVOL.23『健康診断の数値の見方!~血圧編~』
管理栄養士 髙井早紀が『高血圧』についてお話しします!
日本人にとって高血圧は身近な病気ですが、自覚症状を感じにくいことが特徴です。「血圧が高いから塩分控えないと・・・」という会話をよく耳にしますが、なぜ血圧が高いといけないのでしょうか。
前回に引き続き、健康診断についてブログをお送りします。今回は「高血圧」をテーマにお話ししていきますので、ご自身やご家族の健康維持にお役立てください♪(他の管理栄養士ブログはこちら)
血圧とは全身の健康を左右する
血圧とは、心臓から送り出される血液によって血管壁にかかる圧力のことを指します。
よく、血圧の"上"や"下"という言い方をしますが、上は心臓が収縮して血液を送り出したときの「収縮期血圧(最高血圧)」のことで、下は心臓が拡張したときの「拡張期血圧(最低血圧)」のことです。
収縮期血圧が140㎜Hg以上、拡張期血圧が90㎜Hg以上のとき、高血圧と診断されます。血圧が高い状態を放置すると血管がもろくなり、動脈硬化を引き起こします。狭心症や心筋梗塞・脳卒中など心血管系の疾病を発症する最大の危険因子と言われています。
高血圧の原因
高血圧は原因の分からない「本態性高血圧症」と、他の病気などはっきりした原因のある「二次性高血圧症」に分かれます。
高血圧の9割は本態性高血圧症と言われており、遺伝的な因子や生活習慣などの環境因子が関与しています。
原因として以下のことが考えられます。
✓肥満
✓過剰飲酒
✓精神的ストレス
✓自律神経の調節異常
✓運動不足
✓塩分過多
✓野菜や果物不足
✓喫煙
今回はさまざま原因の中から、ついつい摂りすぎてしまいがちな「塩分」についてお伝えします。
食塩摂取の目安
塩分を取りすぎると、細胞のミネラルバランスが崩れ血液量が増えることで心拍数が上がり高血圧になると言われています。
摂取目標量は「1日男性7.5g未満、女性6.5g未満」ですが、日本では塩分摂取量の平均が10.1gとなっており、目標量よりも摂取量が多いのが現状です。日常的な塩分摂取量を目標量にできるだけ近づけていきましょう。
ただし、血圧の検査で基準値を上回っている場合は、「1日6g未満」を目標に減塩しましょう。
食生活でのポイント
濃い味付けに慣れている人にとって、減塩はなかなか難しいもの。
厳しい減塩対策を行うと食事の楽しみがなくなり、ストレスを感じてしまうこともあります。
そこで、正しい知識を得て、おいしさを維持しながら徐々に塩分を減らしていくよう心がけることが大切です。
【作り方で減塩】
① 食材本来の味を楽しむ
旬の食材や新鮮な食材を選ぶことで、うす味でも素材本来の味を楽しめます。
② 野菜や果物をしっかりとる
血圧を上げないためには塩分を控えると同時に、ナトリウムの尿中への排出を促すカリウムを摂取するために野菜や果物を摂取すると良いでしょう。
また旬の食材を選択すれば美味しいのは勿論、栄養価が高い状態で摂取できます。
③ 酸味を効かせる
レモンやゆず、酢などを利用して酸味を効かせると、塩分控えめでもおいしく食べることができます。
④薬味や香辛料を効かせる
わさびやショウガ、コショウや唐辛子、山椒、カレー粉などの薬味や香辛料を用いると、味にメリハリがつきます。
⑤うまみを利用する
昆布やかつお節でだしをとったり、干ししいたけやトマト、豚肉などうまみの強い食品を使ったりすることで、塩味が少なくてもおいしくいただけます。
【食べ方で減塩】
① 汁物は具沢山に
みそ汁やスープなどは野菜など具を多くすると、汁の量が控えられて減塩になります。
② 麺類のスープは飲み干さない
麺料理は、麺とスープに塩分が含まれています。スープを残すようにするだけで、簡単に減塩できます。
③ しょうゆやソースを必要以上にかけない
いつもかけているからと、料理を食べる前から塩やしょうゆをかけていませんか?
食卓に塩やしょうゆは置かないようにするのも一つです。
④ 減塩しょうゆや減塩みそ等を積極的に使う
最近では、様々な減塩食品が販売されています。
よく使う調味料を減塩のものにするだけで、減塩が可能です。
いかがでしたでしょうか?
高血圧の方は、エネルギーや食塩の過剰摂取に注意し、栄養のバランスのとれた食事をすることが大切です。
創意工夫を行いながら今以上の食事を美味しく楽しく味わいましょう。
次回は「メタボリックシンドローム」についてお送りします!
ブログを見逃さず、一緒に健康になりましょう!